2022.1 腎不全 + 猫エイズ陽性の診断が下る

この4月で15歳になったつぶ。ここ2年ほど口内炎などで動物病院のお世話になることが多く、「歳をとるとねこも人間もガタが来るなあ」などと思っていたところ、この年明けに 慢性腎不全 という診断を受けてしまいました。腎不全はねこの死因のトップだそうです。
一時はご飯もほとんど食べず、4.2キロあった体重も2.6キロにまで落ち、「もうダメかもしれない」と思いました。しかし、この1ヶ月ほどは少し食欲も戻り、なんとか危機は脱したように見えます。
治る病気ではなかったねこの腎臓病ですが、今年中にも治療薬の治験に入るとの報道があります。薬が実用化されるまで、どうにか頑張ってくれないかと願っています。そうなることを信じて、それまでのいろいろなことをここに記しておこうと思います。
まずはこの5ヶ月のこと。

診断までの経緯

2021.12
・食べる量が減ってきた

2022.1
・正月の高級かまぼこが気に入り、たくさん食べる ←思えばこれがいけなかったのでしょうか? お正月以降、目に見えて食欲が落ちる
・水を異常に飲むようになる
・なぜか風呂場にいることが多くなる
・くしゃみが続き、鼻水も出る

血液検査の結果

以上の経緯により、動物病院を受診し血液検査をしたところ・・・

BUN(尿素窒素)     : 120
        正常値 16〜36。一般的に100を超えると食欲不振・嘔吐などの症状が現れる
Cre  (クレアチニン)  : 6.7
        正常値 0.8〜2.4。慢性腎不全の指標に用いられ、5.0以上はステージ4(重度)

という結果になり、はっきりと腎不全という診断が下りました。

実は昨年(2021)の5月に「腎疾患の可能性がある」という診断は受けており、その後、療法食に切り替えようと試みたのですが、なかなか食べてくれず、今までのカリカリ7:療法食3程度のブレンドで食べさせるのがやっとでした。そしてひそかに病状は進み、ここに至ってしまいました。
しかも、猫エイズ検査の結果も陽性。

治療法

まず造血剤(貧血も腎不全の症状の一つ)など必要と思われる薬剤を注射し、あとは日々自宅で腎不全対策の輸液(皮下注射)を行うことになりました。この輸液については昨年経験済みだったので、やり方についてはあまり不安はありませんでした。しかし、とうとう毎日これをやることになってしまったのかと落胆はしました。
くしゃみや鼻水(いわゆる猫風邪)については、「免疫力が上がるように暖かくしてあげて下さい」としか言われませんでした。

ミニサイズのホットカーペットで休むつぶ。くしゃみと鼻水が2週間ほど続きました。


その後、この時のことを振り返ってみると、そもそも獣医さんは猫風邪が治ると思っていなかったようです。何回目かの通院のときに「くしゃみや鼻水は止まったのですが・・・」と私が話し出すと「えっ、止まったんですか?」と、ビックリした様子でした。なにしろ猫エイズなのでそのまま弱って亡くなってしまうと思っていたようです。

猫風邪は治ったが食欲は戻らず

2022.2〜4月末

猫風邪が治ったので食欲が戻るかと思いましたが、戻るどころかさらに悪くなっていきました。よだれを垂らし口も臭いので、また口内炎が悪化したのだと思いました。ステロイドの注射をするとその副作用もあって2週間ほどは少し食べてくれるのですが、薬が切れるとまた食欲がなくなり、また注射をする、というのを3回繰り返しました。しかし食べる量がだんだんに減ってきて、カリカリも缶詰も様々な猫用パウチもほとんど食べてくれなくなりました。

こうなったら食べるものなら何でも、と好物の「ホタテの貝柱バター焼き」を出しますが、初めは2個近く食べていたのが1個になり、そのうちまったく食べなくなりました。
4月中旬のつぶは、何かしらを1日にほんのひとなめかふたなめする程度で、輸液で細々と命を繋いでいるような感じでした。

さらに悪いことに、通院や頼みの綱の輸液を嫌い、だんだんと家に帰って来なくなりました。
それまでのつぶはほとんどの時間を家の中かベランダで過ごしており、近所に見回りに出かけても必ず家に帰って来ていたのですが、よほど病院と輸液がイヤなようで、寒い日や雨の日にしか進んでは帰って来なくなりました。

つぶを探して近所を見回る日々が続きました。

日によって見つけられなかったり、見つけられても他人の敷地内で手が出せなかったりして、輸液の頻度も2日に1回や3日に1回になり、ほとんどご飯も食べないので見るからに痩せ細っていきました。足元がふらつくようになり、それでも外に出ると言って聞きません。

完全室内飼いへ

2022.4月末〜

このままではつぶは死んでしまう。

寿命ならそれは仕方のないことですが、どこかで力尽きて雨ざらしになったり、ゴミと同じように扱われたりしたらどうしよう、想像するだけで胸がふさがれ、私たち夫婦は精神的に参ってしまいました。つぶにとっては、イヤな注射を毎日されるより、慣れ親しんだ町のどこかで静かに亡くなっていく方が良かったのかもしれません。しかし、私たちにはそれを受け入れることは出来ませんでした。もう少し、私たちのためにがんばってもらおうと、外に出さない決断をしました。

猫砂を食べる

外に出さないことで、一番心配だったのはトイレのことでした。
今までも家にねこ用トイレを置いたことはあったのですが、外の方が気持ちがいいようで、家でしたのは遠い昔にたった1回きりだったからです。
ネットで口コミなどを見ると、鉱物系の細かい砂の方がねこには人気のようだったのでそれを買いました。
トイレのしつけと言っても、トイレの上につぶを乗せて砂の感触を確かめさせるくらいしか思いつかなかったのですが、それだけでうまくいきました。拍子抜けするくらい簡単に自発的にそこでしてくれました。固まった砂を見て「おお、久しぶりに見たよ。しっこ玉 」と感動しました。しかし、そこまでは良かったのですが、しばらくするとつぶが猫砂を食べ出したのです。
「なぜ?」
ネットで検索すると、ミネラル不足や腎不全などによる体調不良の時に猫砂を食べたりコンクリートをなめたりする とあります。確かにつぶは腎不全だし、最近しきりにコンクリートをなめてもいました。ただ、はっきりとしたことはわからないようです。何にしろ、猫砂が体内で固まったりしたらえらいことです。ミネラル感がなければ食べないのでは? と思い、紙タイプのものに変えたところ、無事に食べなくなりました。感触が砂っぽくなくなるのが心配でしたが、もうそこがトイレだと認識してくれたのか、材質が変わっても大丈夫でした。

外に出さない大変さ

トイレ問題は解決しましたが、本当に大変なのは、つぶを24時間家においておくこと、それ自体でした。
今まで自由に外に出ていたつぶは、弱っていても外に出たがり激しく鳴きます。しかもそれが午前4時だったり、朝の忙しい時間帯だったり、料理の途中だったり。当たり前ですが、人間の都合などお構いなしです。その度に抱っこして気を逸らせたり、ハーネスをつけてちょっと外に出したりしています。しかし相手をしていられない時もあり、ハーネスをつけ、リードの端を固定してベランダに出しておいたところ、ふと見たらハーネスがポトリと落ちていて肝を冷やしたこともありました。リードがピンと張った状態で、器用に後ろに下がると抜けてしまうようです。幸いベランダの端にちんまりと座ったままだったのですぐにつかまえることが出来ましたが。
特に、家にいることの多い夫は日に何度もつぶに呼ばれて「外に出せ」「膝に乗せろ」などと要求されるので、またもや参っています。

食欲が少し戻る

とは言え、外に出さないおかげで毎日輸液が出来るようになり、また、グラグラの歯を2本抜いたことで口の痛みがなくなった(口臭もしなくなり、その後はステロイド注射もしていません)ようで、この1ヶ月はご飯をだいぶ食べてくれています。浮き出ていた背骨が目立たなくなり、ふらつかず、普通に歩けるようになりました。

この5ヶ月の通院回数と治療費

できればこのまま治療薬が出来るまでがんばって欲しい!
同じように思っている飼い主さんはたくさんいると思います。しかし長丁場になるので治療費も大変ですよね。あまり考えないようにしてきましたが、現実を把握することは大切です。勇気を出して今までの通院回数と費用を合計してみました。

通院回数 : 24回
自宅で行う輸液セットを1週間分もらってくるので大体週1ペース。特別具合が悪い時にはその都度診てもらいます。

治療費    : 150,120円
平均すると1日1,000円程度。最初の1ヶ月は検査代などが多くかかり、54,890円。
ほとんどが輸液セット代。あとはその時々の症状に合わせてステロイド注射、目薬、便秘薬、造血剤注射など。

まぁそうだろうなとは思っていましたが・・・15万・・・。
我が家には痛い出費ですが、なんとか捻出していきます。



よかったらシェアして下さい🐾